概要
正のエネルギーを生み出す術
反転術式は簡単に言うと正のエネルギーを生み出す術。呪力は本来負のエネルギーであり、治癒などにはまったく向いていない。負のエネルギーである呪力と呪力を掛け合わせることで正のエネルギーを生み出す技術が反転術式である。名前に「術式」とついているが、呪力操作の一環であって術式ではない。
回復が可能
呪力を血液や肉体に変換することで体を再生させることができる。当人の技量にもよるが、反転術式を習得すれば失った部位を再生させるといった芸当も可能となる。ただ、「ないものを生やす」といった芸当は相当困難なようで、食われてなくなった腕を反転術式で再生させるのは難しいらしい。また、呪力は腹で回すのに対し、反転術式は頭で回すらしく、強力な反転術式使いでも一撃で頭を潰されるとさすがに死に至る模様。
習得は非常に困難で、作中でも「扱える人間は一握り」という扱い。五条悟も「周りで唯一できる奴は何言ってるかサッパリだしな」と発言しており、いわゆる「才能次第」というやつで、努力でどうこうなるものではないと思われる。
他人の治癒は他者は体の勝手が違うことに加え、受け手の拒絶反応がありさらに難易度が高い。治療する側の呪力が拒絶されたり、治療される側の呪力が変換に応じなかったりという拒絶反応があり、作中で可能なのは現状宿儺・乙骨・家入の3人のみと非常に難しい技術となっている。「逆に貴様は何を持ち得ないのだ」と言わしめた五条悟ですら習得できないことを考えるといかに難しいかがわかる。また、他人の治癒は自身を治療するよりも治癒効率は低く、自己治癒の半分以下となる。「体を再生させる」という一見無敵とも思える技だが、呪力消費も凄まじく、自身の治癒であっても相当量の呪力を使用するため、そう何度も使えるような術ではない。
ちなみに呪霊は負のエネルギーで治癒が可能なため、治癒に反転術式を使用する必要がなく、そう難しいことではない。そのため、特級呪霊ともなると簡単に体を再生させてみせている。
また、回復だけでなく対呪霊には攻撃技としても使用可能。呪霊は負のエネルギーの塊なので、正のエネルギーによる攻撃は非常に有力で、反転術式によるアウトプットは一撃で祓うことも可能。まあ、反転術式のアウトプットなんて芸当ができる術師がごくごく限られているが。
肉体だけではなく、焼き切れた術式の治癒も可能。五条悟は領域展開後、焼き切れた術式をこれで回復させてみせた。ただ、乙骨もその運用法に驚いており、実際にできるのは五条悟と宿儺くらいと思われる。その真相は「自らの脳を呪力で破壊し、それを反転術式で治癒する」というものだった。術式は右脳の前頭前野に刻まれており、その部分を破壊し、反転術式で再生させることで焼き切れた術式をリセットすることができる。ただ、これは当然リスクが高く、「死にかけてる」と言ってもいい。五条悟でも、5回ほど行ったことで領域を展開できほどの後遺症を負っていた。
術式反転の使用
反転術式習得者は術式反転も使用できるようになる。術式反転は正のエネルギーを流し込んで術式を発動するという技術。本来呪力は負のエネルギーであるため、正のエネルギーを流して発動すると術式の効果を真逆にすることができる。
五条悟の術式順転「蒼」は「収束」を現実に発生させる技だが、これに術式反転を応用することで「赫」という「発散」を発生させる真逆の技を編み出した。
弱点
「体を再生させる」という一見無敵の能力に思える反転術式だが、明確な弱点も二つ判明している。
- 脳の破壊
- 毒物
- 呪力消費
- 操作の難しさ
脳の破壊
反転術式は頭で回すため、いかに強力な反転術式使いでも一撃で頭を潰された場合は死に至ることが明らかになっている。
また、詳しい原理は不明だが、このように首を攻撃されている状態だと首から下に反転術式を送ることはできなくなる模様。
毒物
毒にやられた場合は原因物質の特定に除去とより高度は反転術式の運用が求められる。そのため、体の再生はできる反転術式使いも毒物の解毒までは行えない者も多い。
呪力消費
呪力消費も激しいので戦闘中ホイホイ使えるものでもない。
操作の難しさ
反転術式自体の技術が難しいため、他術式の使用に支障をきたす場合がある。九十九は反転術式を使用したことで「星の怒り」の能力が甘くなり、羂索を拘束していた凰輪から抜けられてしまっていた。
使用者一覧
両面宿儺
虎杖時に特級呪霊との戦いで失った腕をいとも簡単に再生させていた。他人の再生も可能で、非常に優れた反転術式使いであることが判明している。
五条悟
無下限呪術の使用には原子レベルの緻密な呪力操作が必要で、発動には脳に強い負荷が掛かるため長時間の使用は五条でも厳しかった。それを補うために常時反転術式で脳を修復し続けるという離れ技で、無下限呪術の常時発動を可能にしている。術式反転の使用も可能。他者の治癒まではできない。
家入硝子
反転術式の才能はずば抜けており他者の治癒まで可能。そのため、呪術高専医師として雇われている。
乙骨憂太
自他共に治癒が可能。呪霊に口移しで直接正のエネルギーを流し込むという攻撃手段としても使っている。脹相の血液に侵された禪院直哉の毒も解毒しており、反転術式の使い手としては相当なもの。
裏梅
自身の治癒が可能で、失った指を再生させていた。体内に入れば毒となる脹相の血液には対応できていないあたり、反転術式による解毒まではできない模様。
黄櫨折
眼球や歯といった自身の体を爆弾に変える術式を補うために反転術式を使用している。
秤金次
正確には反転術式を習得していないが、領域展開「坐殺博徒」で大当たりを引いた時から4分11秒間フルオートで発動される。フルオート発動のため失った部位が即座に再生していくため、実質不死身状態となる。毒物もオートで解毒される。
羂索
九十九の「星の怒り」で吹き飛ばされた腕を再生させるために使用した。
九十九由基
羂索の胎蔵遍野による重力攻撃で受けたダメージを回復する際に使用した。
円鹿
日車寛見
宿儺戦にて腕を切断された直後に習得した。
虎杖悠仁
宿儺との決戦前の一ヶ月で会得した。
▼他の呪術廻戦用語はこちら▼
コメント